AniPAFE2023編集後記『真赤な愛しいひかり』編
AniPAFE2023に参加された皆様、編集&投票お疲れさまでした!
ここでは私が当イベントに置いて投稿した3作品について経緯だったり中身だったり諸々、綴っていこうと思います。
1週間近く経ってビックウェーブに乗り遅れた感はありますが...
どうでもいい事や言わなくていい事についても色々書いていくかもしれないので、そういった事が苦手な方はブラウザバック推奨です!
では...
【MAD/OPパロ】真赤な誓い【ウマ娘】編
まず最初に投稿した支援作から。
知ってる人は知っていると思いますが、私は2020年のAniPAFEでも『武装錬金』のOPパロをやっています。MAD投稿を初めて1年も経っていませんでしたが、そこそこのインパクトと再生数もあり、私の代表作の一つだと思っています。
今回はそこからのある種の成長を見せれた...のかな?
『ウマ娘』とこのパロの組み合わせを思いついたのは2年前の2021年、きっかけはテイオーさんでした。
だって...夕焼け模様が来ると、訳もなく『真赤な誓い』したくなりません?
ですが実行に移さなかったのは、前の『はめふら』から1年も経っていないから、また、近い時期にフル尺で別に『真赤な誓い』MADを投稿していたからでした。
しかし今回、それを行った理由...それは...
ネタが無かったからですが、なにか?
前のAniPAFEから約一年、特にMADにしたいアニメも合わせる曲もなく、何のアイディアも湧かなかったので過去のお蔵入りした考えをサルベージしました。
サビの一部だけ作って没MAD案としてTwitterに載せようかなくらいには考えてましたが...
そんなこんなで8月の初め、この子を作り始めました。
作り始めのベースは前の『はめふら』の時の物を使用。
ですが文字のフォントや大きさ、位置、切り替わりのタイミングなどほぼほぼイジったので同じところはそこまでないかと。
それぞれのキャラの配置は行き当たりばったりというか、当初のざっくりとした構想とは離れてると思います。
初めはカノープスも「ありったけの想いを〜」で、スズカさんの下にいる予定でしたし、沖トレ&ウオスカの部分はオペラオーさん&アヤベさん&ドトウさんにしようかと思ったり。
逆にブロワイエ~ライスはすんなり入ってそのままでしたし、ゴルシに至っては上記のテイオーと同じく作る前からあの扱いは決まってました。
最後のシルエットが駆ける部分も、最初は脚を動かそうかと考えていたから今となっては恐ろしい…
スぺさんの決め顔はレース中で良い感じに当てはまる絵が無かったので出走前のゲートの様子を使用。意外と違和感ないし、超このシーンを見てるって人以外は気付かないでしょう。(驕り)
そんなこんなで出来てきた動画はいつもOPパロでお世話になっているもんじゅさんに提出。
「ここのテロップミスってるね」「いや、ここはそのままで良いんすよ」的なやり取りを取りつつ出された修正案が...
『オペラオーさんの汗を消す』
『元OPテロップの様に裏に黒字を追加すること』
でした。
……いや、そこは私も作ってる時に思ったけど、絶対難しくメンドイやつやん…だからやらなかったんよ...
でもトライした。
結果、やれた。できちゃった…
おかげでイイ感じに完成度の高い動画にできたと思います。
今見ると黒地なしって凄く味気ないっすね。
テーマは『変わらず燃え続ける炎』
これも3年前の『はめフラ』MADを意識して。投稿日時も同じにしてたりします。
同じテーマでも『はめフラ』は「この時代に『武装錬金』OPパロをした事に対して」、『ウマ娘』は「私のMADへの姿勢が昔と変わらない事を祈って」と地味に違っています。
ちょっと鎮火しかけてるんですけどね…
何人かの方の「本参加の方にしないの?」的な呟きを見かけましたが、私は最初からそんな気はしなかったですね。どうしても他にネタがないけど、参加したい時の最終手段くらいの位置づけ。
理由としては
・選曲…と言うより選OPパロだけど、『真赤な誓い』自体汎用性高いものだからなぁ…「何よりもマッチしてる!」感は薄い。
・構成賞もなにも全部元OPのパクリじゃん。
・演出賞もなにも(ry。大体あそこは技術もりもりの静止画MADの領域だろうから無理だね。
・諧謔賞なんて、ギャップ狙いの『はめフラ』でダメだったんだからこの子にはもっと無理でしょ。もっとぶっ飛んだ人達にすり潰されるって。
・再現率とかも全部元OPありきの評価だからなぁ...
私のOPパロMADは堅実で真面目、逆に言えば尖ったものがないのでAniPAFEにおいて、もう特に何の期待もしてないです。多分これからもOPパロで勝負することはないんじゃないかな。
愛着はあるし、いい動画だと思ってはいるんですよ?あくまで「AniPAFEにおいては」です。
まあ、本参加するつもりだったらもんじゅさんに添削を依頼することもなかったでしょうし(AniPAFEは私の戦いだから自分一人でやりたい)、これはこれで良かったんじゃないかと。
だが本参加していたら何処かに入り込めただろうか?今となっては真相は闇の中…
【MAD】愛しい人へ【クレヨンしんちゃん】編
続いて参加一作目。
始まりは9月初めAniPAFEの投稿期間が始まった頃でした。
…ネタがねえ!
そう思ってた訳ですが、曲集めの為に拝見して回ったフォロワーさんのMADを急いで再確認してる際に、
「D.S.Kさん、なぜさん、ゆきのふさん、maruhanaさん…ゆきのふさんかぁ…(真っ先に『planetarian』MADが思い浮かぶ)」
「『愛しい人へ』ねぇ………………………………やってみるか」
といった経緯となり製作に至る訳ですね。
去年の編集後記でも書きましたが、AniPAFEで恐らく強いとされるのは『圧倒的な武器を持っている』か『誰にでもわかるようにストーリーを伝え感情移入される』かだと思っています。
今回も私がそこそこ得意とする後者を目指して2つのMAD製作しています。
…まあ、急ごしらえでそれ以外なにも持ってないだけとも言えますが。
導入とイントロは短くしたロボとーちゃん登場シーンととーちゃん改造計画を見せる。この土台だけあれば後は視聴者のみの想像だけで何とかできるし、歌詞がそれを後押ししてくれる。
一番の歌詞は、ロボとーちゃんを受け入れ傍にいるしんのすけ、急にロボットになった現状に打ちひしがれるものの息子の為に変わらず体を張るひろし、それを見て思い直すみさえ。それぞれが「変わりゆく世界 変わらない人の温もり」に合ってますね。
継ぎ接ぎで人を消したり動きを変えてるけど、初見じゃ絶対分からないっしょ(小っちゃいこだわり)
間奏部はなかなか難しく、一番最後に埋めた部分になりました。みさえと家に受け入れてもらえた感が欲しいけどシーンが足りなかった!
そこでロボひろしがいなくなった犬小屋と後に使う親子の腕相撲の前のシーンを使い、そんな様子を取り敢えずなんとなく演出。
『大人になれば寂しくないと思ってた』
2番のここの歌詞は『ロボとーちゃん』だけでは賄えないと判断し、別のクレしん映画『オトナ帝国の逆襲』から使用して、家族の大切さを再確認したように。
ロボとーちゃんも記憶の共有を行ってる訳ですから、この記憶も持ってたでしょうという想定。
『変わりゆく世界 「あっ!お前、俺の記憶をコピーしたロボットじゃねぇか!」』
『変わりゆく世界』は人間のオリジナルひろしが目覚めた事で崩れゆくロボとーちゃんの価値観と日常を意識。
その後に歌詞は『変わらない人の繋がり 大切にしたい』と繋がるのですが、この状況には合わないと思い、ひろしの台詞が割り込むように合わせてインスト版に移行、完全削除へ。
2つ目の間奏では3番での腕相撲に繋がるまでの過程をセリフも交えて詰め込み。
劇中、しんちゃんは2人の父親を「とーちゃん」「ロボとーちゃん」と呼び方を変えて区別してるのですが、ロボとーちゃんも間違いなく父親だった、壊れたロボひろしを見てそんな言い換えも忘れて思わず漏れた、そんな意味を含めてはラストは「とーちゃん?」に。
「男の勝負は手加減無しだゾ 正々堂々と」
「分かったよ 蹴りをつけよう」
3番のほとんどの構成はこの曲との組み合わせを思い付いた一番最初の時点でほぼほぼ完成して、そこからほとんど変更は無いです。
ここでは『もう壊れて助からない事はわかってるけど、そんなことは関係なく手加減無しで挑む』ロボひろしと『1度完膚なきまでに負けていて勝機なんて見えないけど誘いに乗る』ひろし、そんな2人の互いの存在を賭けた真剣勝負を強調。
『 「ありがとう」勇気をくれた 愛しい人へ 心から贈りたい言葉』
腕相撲に負けたことで、自分のジンセイと父親としての役割に終わりが来たことを察したロボひろし。そんな彼の一種の走馬灯。
コピーである彼も覚えているであろう数多くの日常や映画での冒険を、視界同様壊れゆく記憶領域を意識してノイズやぼかしを入れる。
どのシーンもそうですが、ここはあくまでロボとーちゃんの旅路と記憶なので素材は『オトナ帝国』から『ロボとーちゃん』までに限るよう範囲意識。
『変わりゆく世界 変わらない人の温もり確かに感じた 愛しい人』
今回のテーマは『ひとりの男のジンセイ』
『一人の男の人生』としなかったのは彼がヒトではあるが、完全な人間ではなかった為。
彼自身にもオリジナルと寸分たがわぬ記憶や想いがあり、ひとつの分岐で別れただけで彼も間違いなく『野原ひろし』だった。
ロボひろし自身にとっても、訳も分からずロボにされ、その後の息子の成長を見ることもできず亡くなる訳ですから、単なる映画オリキャラの登場と退場とは割り切れない…
そんな『もうひとりのひろし』の始まりから終わり、そして記憶と過去を意識しての編集、今回のテーマとなります。
【MAD】ひかり【オネアミスの翼】編
もう1つの参加作。
このMADの起源は比較的古いです。
3年前の2020年頃ですが、私は翌年以降も『planetarian』MADを作ろうと考えており、2021年に投稿した『愛をこめて花束を』、そして『宇宙』をテーマにした複合MADを構想していました。
その複合MADに合わせる曲は暫くの間、決まってなかったのですが、以前から知っている倉庫番さんの『ポケットの中の戦争』MADを見直した時に歌詞でラスサビに当てる情景が浮かび思いました。「これだ!」と。
月日が経ち、2023年。
あの複合MADを出せば今年も『planetarian』MADノルマは達成されるし、『宇宙に羽ばたく人類の夢』とか付ければテーマ賞は頂きだし、「ネタがねぇなぁー」なんてほざきながらも「いざって時はこれがあるぜグフフ」なんて思ってました。
ですが、6月1日。
Keyが二次創作に関するガイドライン改訂、公開。
音声を使用する二次創作に対して禁止喚起が行われました。
…………オワタ\(^o^)/
ドラマCDですが、『planetarian』の音声は2番の前半とラストを担当していたのでこのMAD計画は完全におじゃんとなりました。
そんな私でしたが、
「作ってて思うけど、これ『曲+名言集』って感じで個性やMAD感薄いよなぁ…」
→「じゃあ、いつも通りどれかの作品に絞りゃいいんじゃね?」
→「そうなると『オネアミスの翼』かな」
となり、おじゃん後に切り替えて行く事になります。
ですが、2番の後半からロケット打ち上げまでを荒削りながら作ったところで「なんか無理そうじゃね?」となり暫く放棄することとなります。
9月に入り…
色んなアニメ見たけどやっぱりネタが無え!
そこで保留した今作品をサルベージ、9月中旬から参加作として急いで作ることとなりました。
一番部分
『オネアミスの翼』はいい意味で濃密なので台詞入りでストーリー補完。
重要だったのは
・宇宙軍の実績は酷いものだし、士官達も皆やる気がなかった
→ここからの成長を見せる為
・シロツグも初めはリイクニに感化されたのがきっかけ
→リイクニの立ち位置を明確化
・将軍だけは初めから本気だった
→これが無いと上の命令にただ従い、ただ真っ先に逃げようとしたと見られる(?)
どれも後のシーンに活きてきてると思っています。
『無数の出来事と 誰かを導くひかり』
シロツグにとってリイクニは自分を導く『ひかり』だった。多少動機は不純かもだったけど2人が出会った事ですべては始まった。
二人の関係や数々の事件、打ち上げに向けての準備、本当に無数のようにあり、色々話したい、だけどそれを飲み込み「いってきます」とだけ告げる。
今回のMADは同じ曲『ひかり』を2バージョン使っています。
複合の時からそうでしたが、2番から余裕のない壮大感が欲しいけど、正直1番では要らねえ。
そのため、リイクニとの別れで『PIANO版』から『通常版』に切り替わるのですが、これが思わぬ副産物!二人の別れから章が変わり、壮大な物語が始まる感が出てる!
2番前半も補足用の台詞入り。
ここが抜けていると初見じゃ「なんでこの人たち態々国境近くにロケット置いてるの?バカなの?」と思う人もいる(?)ので彼らにとっても不本意な様子を残す。
台詞も色々入れたかったですが、「駐留軍が川を超えました」で即落ち二コマ感が出るのでそこを注意して調整。
「下らぬ事だ。命を懸けて割が合うものじゃない」
「嫌になった奴は帰れよ。俺はまだやるんだ!」
この作品で私が一番好きなシーンは多分この打ち上げ中止を撤回するところです。
初めから本気だった将軍が(おそらく部下たちのために?)「下らぬ事」と言い夢を諦め、「ここ(宇宙軍)で死にたくないな」と言ってたシロツグが一人だけ諦めず、他の士官やスタッフもそれに続くという対比が大好き。
互いにそれぞれの過去と決別しようとするのが...
「やってみるか。秒読み戻せ」
「「「やったあああああ!!!」」」
ここで曲の音量が上がるんですけど、これ台詞と混ざったり音割れするのを防ぐために下げていたのを100%に戻しただけなんですよね。
だけどなんやかんやでこれからの盛り上げに貢献してる思わぬ副産物!(2回目)...だよね?
『明日になれば陽はまた昇る 誰もが未来への夢を見る』
てけとーに入れただけですけど、『明日』に合わせてスイッチ切り替えで音ハメになってるの好き。
『陽はまた昇る』で敢えて落とされる敵味方の戦闘機。
『誰もが』はもちろんロケット打ち上げに携わる全ての人達。
その後は原作と同じくシロツグの放送で締め。
最後に
そんな感じでMADに対するちょっとしたあとがきは終わり。
今回の自分のMADに対するマイナスな想いは、『しんちゃん』MADの1,2番サビでストーリーを進めるためとはいえ少々淡々とした感じが出た事。
『オネアミス』では状況説明の為とはいえ台詞に頼りすぎ感が出た事。
私はたまに見える『MADというより曲+名場面集』が嫌いなのでそういった感じからは離れたかった...
切り貼りMADは少々の台詞を挿入しながらもそれに頼り切らず、あとは歌詞とのシンクロや構成、音ハメで魅せるのが真に強いMADだと思っているので。
正直、今年の子達は去年のAniPAFE参加作には及ばないと思っています。それくらいあの子達は強かった。
それでも何もないなりにできることはやった。
果たしてそんな彼らが何処まで行けるのか...
2023年11月4日(土)20:00 ~ 24:00 「部門賞発表」
2023年11月5日(日)20:00 ~ 24:00 「総合賞発表」
乞うご期待!
最後にアンタらに一つだけ伝えたい...
...ネタ(良アニメと曲)ください
まずはAniPAFE参加作から探すか…
最後までのご閲覧、ありがとうございました!
AniPAFE2022編集後記『【MAD】Hello, Again~昔からある場所~ 【planetarian】』編
続いて『【MAD】Hello, Again~昔からある場所~ 【planetarian】』について書いていきたいと思います。
こちらも色々いらないことも雑に書き連ねていくので、苦手な方はブラウザバック推奨です。
はじめに、このMADの組み合わせを思いついたのは一年前、AniPAFE2021の結果発表が終わった頃でした。
あの時の私は『テイルズオブアライズ』から『Hello,Again』を知り、そこそこハマっていたので、この曲をMADに使いたいなと思っていました。
ですが、去年の年末にラスサビだけ作って半年以上放置したままに。
理由としてはいくつかあって、
・去年に作った『【MAD】AIをこめて花束を【planetarian】』がその時の私の中で最高の選曲と出来で、それ以上のいいものにできる自信がなかったから
構成や演出も似たようなものになりそうでしたし…
・その後に見た『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』の方が『Hello,Again』に合っていたこと。
実際に歌詞や曲とのマッチ率やまとまりは今でも向こうが上だと思っています。
・ラスサビは埋めたけどそれより前が埋められなかった。
構成が思い浮かばなかったのか、ただやる気が起きなかったのか…
そんなこんなで復活したのが今年の夏、これで参加する気となったのは
・去年支援作として『planetarian』MADを上げたすぐ後に「ああああ、やっぱりこっちを参加作に選べばよかった」という後悔があったから
・どうせAniPAFEに参加するなら自分が好きな作品で戦いたい
『planetarian』は現在もトップレベルに好きな作品ですし
・他に控えがそんなにいなかったから
です。……です!
ではMADの解説に入ります。
『「宝物?」「このケースが?」「このケースが宝物なの?」「そうだね。人生を変えてしまうほどのね。」』
今回も『ポンポさん』の方同様、ラスサビを一番先に埋めて辿るように遡っていったので、この導入が最後のタイムライン埋めです。
子供たちの問い掛けに答える形でMADが始まりますが、この子供達の問い掛け、全ての回想が終わった後のシーンなんですよね。
ですので、聞かれた後に星の人(お爺さんの呼び名)が「正確に言えばこのケースの中にある物の事なんだ」って言いながら中身を取り出すのですが、これがまずい。
作品未視聴の初見さんでも、後にゆめみちゃんが出てきても「ああ、さっきのメモリーカードはこのロボットさんだな。死んでしまうんだな」というのが丸分かりです。
ですので、とにかく星の人が肯定していて、声の張りなどこの場所に合うような台詞を探して当てはめてみました。
そして本編でも回想の導入前となる「人生を~」に繋いで過去のシーンへ
『「「そこは封印都市だった」」』
現在から過去に遡るように二人の声を重ねて
Aメロ冒頭
『雨はこの街に~』からの部分にどういうシーンを当てるか決まっていたので、この約20秒の尺に1話部分(状況に屑屋やゆめみちゃんの説明)を詰め込む必要がありました。
そうすると映像だけだと無理が出てくるので、2人のセリフを追加。
結果的に
・ゆめみちゃんが29年前からひとりでいるロボット
・渡そうとしてくるガラクタの塊が花束
・屑屋が全然乗り気じゃない
・イエナさん(投影機)が故障中
・1度はプラネタリウムを後にする屑屋さん
を端的に説明できたと思います。
別の場面の台詞を使うこともあったのでそれに合わせて口パクを調整。
イエナさんについて話す屑屋さんの一部も別のシーンから引っ張って来た物です。
画面に変化が欲しかったのと心底嫌そうにしている感を出したかったので。
『雨はこの街に 降り注ぐ』
メンシェンイェーガーさんとシオマネキさんを紹介しつつ、雨が降り続ける街を映す。
雨の中話すふたりも入れようかと思いましたが、1カットだけだと前後のシーン的に不自然な感じがしたので雨水を受けるボトルだけ映して屑屋がまだ立ち去っていないことをやんわりと演出。
『少しの リグレットと罪を 包み込んで』
ゆめみちゃんとの会話で今までの厳しかったり辛かったりした出来事が少し忘れられ、和らぐ感じを意識。
ゆめみちゃんが眠りにつき、それを見て微笑む屑屋さんだけだと「なんか違う」感がしたので、少しだけオリジナル風に。
ゆめみちゃんの話に耳を貸し、受け答えをする中で自然と笑顔がこぼれてしまう。
→そんな自分に気付いてハッとするも、「これもまあいいか」となって微笑みなおし、修理作業に戻る。
切り貼りと逆再生からの一旦停止、通常再生に戻すことでそんな感じを演出。
『泣かないことを 誓ったまま 時は過ぎ』
辛い過去が無くなったわけでも忘れたわけではない、時折物思いにふける様子を描く。
それでもゆめみちゃんとの和やかな時間は流れていき、修理は完了していよいよ投影開始へ。
『「記憶の中で ずっと二人は 生きて行ける」』
劇中では屑屋さんからカメラが引いていき、イエナさんの全体を映すシーンなのですが...もう今までに3回使ってるんですよ!このシーン!(去年、一昨年の『planetarian』MADに今年のAniPAFE支援作)
「なんかもういいよな...」感が出てきたので、逆再生にして屑屋さんの瞳に吸い込まれるよう変更。
それから屑屋さんの過去→屑屋のお母さん→戻って来て思いをはせる屑屋さんに繋げるのはとんとん拍子で上手くいきました。
途中で星の人がゆめみちゃんを想うよう構成しようかとも思ったのですが、合わなそうというか「無理やり過去と今を行き来するものじゃないな」と思い、没。
『君の声が 今も胸に響くよ それは愛が彷徨う影』
この歌詞は大切な人に先立たれた人がまだ忘れられないっていう意味のものなんですけど、この場面に合わないので自分なりに切り分けて当てはめ。
ゆめみちゃんの解説が凍え切ってしまったと思っていた屑屋さんの胸に響く。それは彼が優しい心を忘れなかった、ずっと残してた愛が見せるものだといった感じに。
29年間さまよい続け、変わらずにいたゆめみちゃんの愛が見せる影といった意味も込めて。
『君は少し泣いた? あの時見えなかった』
屑屋さんは極まって泣きそうになるが、寝たふりをしてゆめみちゃんには決して涙は見せない。それを見つめるゆめみちゃんはただ微笑むだけ。
ゆめみちゃんは座席についた後もひとりで喋り続けるのですが、ふたりで静かに眠る感を出したかったので少し静かにしててもらいました。
『自分の限界が どこまでかを 知るために 僕は生きてる訳じゃない』
足手まといになるゆめみちゃんを連れているけど、別に酷い目にあうため(対人兵器ロボとの戦闘)やチキンレースがしたい訳じゃない。
行く先々の危険を案じる屑屋だけど、ゆめみちゃんに呼びかけられる事で現実に引き戻されるといった構成に。
そして屑屋はゆめみちゃんとの想い出を振り返る。けれど、ロボットであるゆめみちゃんはこの街を離れられないし、心は微妙にすれ違ってて隔たりがある。いずれ別れの時が来る。
「こんな辛い想いをするために彼女と一緒にいる訳でもない」といった意味もこの歌詞に重ねています。
『だけど 新しい扉を開け 海に出れば 波の彼方に ちゃんと"果て"を感じられる』
ここでは壁の外に行き、ゆめみちゃんとの新たな暮らしを夢想する屑屋を描こうと思ったのですが、尺が足らず断念。
代わりにゆめみちゃんと屑さんに何が起きたのかを丁寧に描いて、感じていた「果て」にたどり着けないことを描写。
『僕は この手伸ばして 空に進み 風を受けて』
ここでの『風』は屑屋の『噓』であり、ふたりの『希望』。屑屋が語る理想の世界と未来。
崩れた壁を見せてから、泣きそうな屑屋、夢想した暮らしを見せることで叶わなかった願い、屑屋の精一杯の噓を台詞が無くともわかるよう構成。
『生きて行こう どこかでまためぐるよ』
『「どうして…でしょう?」「「「「「ゆめみちゃん!」」」」」「私は…幸せな気持ちで一杯なのに...」』
観客や同僚たちを思い返すシーン、初めはこの部分では台詞は入れてなかったのですが、「去年にほとんど同じ事やったなぁ...」と思い、「ゆめみちゃん」と声を掛ける観客の映像で構成し直し、音声を挿入。
それだけだと、音声にいきなり出てきてすぐ去っていった感が出るので、前後にゆめみちゃんの台詞も追加。
ぼやけるビジョンは雨とロボットが流せない涙を意識。屑屋さんだけをぼかして表示はそのままにしたかったですけど私の技術力では難しかった...
...心の涙です!
屑屋はゆめみに、ゆめみは屑屋を含むスタッフや観客にまた会えることを信じて機能を停止する。
『遠い昔からある場所 夜の間でさえ 季節は変わって行く』
『昔からある場所』...ゆめみが働く場所であり、屑屋が目指すべき場所。
耳のイヤーレシーバーにメモリカードがあることと、それ(と防水ケース)を持って決意を露にする屑屋を描き、暗転で季節が過ぎ去りと回想の終了を告げる。
ラスサビ前の間奏
星の人視点は、最初は行き着いた集落で目覚めるところからいこうかと思っていたのですが、導入部分が良い感じに働いてくれたので、カット&構成し直しでゆめみちゃんのメモリカードを大切に持っていたこと、アハトノイン(修道女ロボット)さんとの出会いと天国への旅立ちに焦点を絞れました。
劇中ではメモリカードをノインさんに入れられず、星の人は倒れてしまうのですが、今回はそれが成功し、彼女がゆめみちゃんとなったともとれるように構成しました。
星の人には「(メモリカードを)君達に受け取ってほしい」と言わせなかったですし、ノインさんの耳元に手を伸ばすけれど、カードを挿入できなかったシーンはいれなかった等。
まあ、未試聴者向けの小さなルートや解釈の一つと思っていただければ。あくまでどちらとも取れる感じに。
『雨は やがて あがっていた』
曇っていた心は晴れ、星の人が報われる時が来る。
『「記憶の中で ずっと二人は 生きて行ける」』
星の人も天国に行ったので、厳密に言えば『記憶の中で』ではありませんが...
これも彼の記憶が生み出した愛が彷徨う影なのかどうか...これも視聴者の好きな解釈に任せます。
いずれにせよ、これからはふたり一緒に。
『「久しぶりだな」「はい。お久しぶりです」』
そして果たされる『再開』、『Hello,Again』。
ここも絵に変化を持たせたかったので、ふたりのアップは別のシーンから流用。
『君の声が 今も胸に響くよ それは愛が彷徨う影』
『「星を、星の事を多くの人に伝えてくださって本当にありがとうございます」』
ゆめみちゃんの感謝の言葉、それに合わせて星の人が今までやって来た事を視聴者にも見せ、その感謝の言葉が星屋に届く。
心に響くのは、今まで救えなかったことを後悔していたから、自分を責めていたから、感謝されるなんて思っていなかったから。それもきっと『愛が彷徨う影』。
その影の源泉に立ち返るように回想とフラッシュバックは時系列を逆にして。
『君は少し泣いた? あの時見えなかった』
『「報われた...その一言で...すべて...」』
あの日見せなかった涙、あの時以外流さなかった涙、それが止めどなく溢れて来る。
それを見つめるゆめみちゃんはただ微笑むだけ。
『「さあ、投影を始めよう」「はい」』
最後に投影開始を告げる星屋と報われたような表情をする星の人でこのMADは閉幕。
最後の星の人とノインさんはどうしても気になる部分があったので、一部を少しだけ変えてあります。恥ずかしいから絶対に見比べちゃダメだぞ☆
AniPAFE2022のテーマは「変わらぬアイ」。
劇中でゆめみちゃんを想い続けた星の人の「愛」、ひとりぼっちで待ち続ける間も決して忘れなかったゆめみちゃんの人間に対する「愛」と「変わらなかったAI」を掛けています。
「AI」と「愛」って去年もやっ(
今回意識したのは、去年の自分(のMAD)とゆきのふさんのMADですね。
私の中でこの二つが超えるべき最高峰の『planetarian』MADであり、構成にかぶった感じやパクった感じにならないようにという意味でもちょっと意識しました。それでもどうしても似通った部分があるような...
そこんとこどう思ってるんですか、ゆきのふさん!(うるさい)
AniPAFE2022ではテーマ賞8位、総合賞47位を獲得することができました。
「引っかかるとしたら構成賞とか選曲賞かな」と思っていましたので、総合賞の方は完全に予想外でしたね。
私事ですが、AniPAFEを知った切っ掛けは一昨年の『planetarian』MADに勝手に付けられたタグでした。
私にとってのAniPAFEのはじまりでもあり、後悔も経ることになった『planetarian』MAD。色んな事があった大好きなこの作品で入賞出来て、誰かの記憶の中に残すことができて本当に嬉しいです。
報われた...この結果で...すべて…とは言わないが、それでも...
これで私のAniPAFE2022編集後記は以上ですね。
皆様、ご視聴、投票、そしてここまでのご閲覧、本当にありがとうございました!
AniPAFE2022編集後記『【MAD】未来地図【映画大好きポンポさん】』編
1~2週間経ちましたが、改めて第6回MCL&AniPAFE2022お疲れさまでした!
ここではAniPAFE2022に参加した2作品がどういう風に出来上がっていったかを書いていきたいと思います。
使用ソフトはAviUtlですので、編集用語などはそちらのものを使用します。
ここはこうイジったとか、いらない小話とか黙っときゃ良いようなことも書いているのでそういうのが苦手な方はブラウザバック推奨です。
まずはじめに、今回のMADは自分の中でも上位、入賞を取りに行った作品でした。といっても、今までのMADも本気で良いものを目指していましたし、私らしさを潰して作った訳ではありません。
あくまで、これまでの結果や反応や他の人のMADを見て回って、どういったMADが好まれるのか、自分自身がどんなMADが好きかを私なりに考えて整理して、軸を見つけたかった感じです。
去年の上位陣や自分で「いいな」と思ったMADの共通点は「アニメのストーリーが誰にもわかるよう、丁寧に構成しながら5分前後に落とし込んで、作品そのものの良さを引き立たせている」か「ストーリーの詳細までは分からないけれど、曲と映像の雰囲気や技術力などの圧倒的インパクトで押される」というものでした。
いくら自分の中でできているつもりでも、見せる(魅せる)ことを忘れたらそのMADや使用している作品の良さは他人に伝わらないし評価はされない。それがないならそれを補って余りあるような武器を磨こうねっていう話です。
今回の私の2つのMADは前者です。私のMADはいつもストーリーMADを主体として歌詞と作品のシンクロを第一としていますし、それ以外の武器を持ち合わせていなかったので…
繰り返しますが、これで作品のグレードを下げた訳じゃないです!ほんの少しの「愛」を足しただけです。
前置きはこのくらいにして、まず『【MAD】未来地図【映画大好きポンポさん】』から解説していきたいと思います。
きっかけは3月ごろ、「曲がねぇ、曲がねぇ」って騒いでいた時に、曲集めのためにフォロワーさんのMADを見て回って、なぜさんの『未来地図』MADを拝見した時でした。
初めは良い曲だなと思っていたものの、1,2ヶ月ほどは組み合わせるアニメが決まらず、「一生懸命感あるし、『ブルーピリオド』かなぁ」くらいの気持ちでした。
ですが車で何度も曲を流しているうちに、とある情景が見えてきて、「いや、違う。これは『ポンポさん』だ!『ポンポさん』の曲だ!」となり、組み合わせが決定。
一応覚えている人がいるかは分かりませんが、私は前にも一度『ポンポさん』MADを作っています。(以降『前作』と記述)
ですが再生数は200以下という『ポンポさん』MAD中ゲべでコメントもゼロ。それらで全ての良し悪しが決まるとは思いませんが、正直「何が足りなかった…あの人らとの差はなんや」と思ったものです。まあまあ切り抜きもしましたし。
そういった意味で多少のリベンジも今回含んでいると思います。
では冒頭から。1人(正確には2人)で映画を鑑賞するジーン君にフィルムが回る音だけが聞こえるシーン。
今回、真っ先に思いついたラスサビから前に遡るように作っていったので、このシーンは一番最後の製作になりました。
このシーンを入れた意味としては、後のシーンとの対比づけることと、いきなり「殴り書いた~」と音が入るよりも静かなシーンを前に置いて、少し「何が起きるんだ?」と思わせた方がいいなっていうのがありました。でも「音量間違えたかな」と思わせないように映写機の音は少し大きめに。
今回も前作同様、上下に黒帯を追加。前作で付けた理由としては「撮影された映画の中のシーンと撮る側のジーン君達のアス比違うんだな…いちいち切り替わっても目に悪いだろうし、もう全部一緒にしちゃおうぜ!」的な考えだったはず。
そしてジーン君が観ている映画に入り込むような演出で音楽が始まるのですが、この雨の降るシーンは後のジーン君の学生時代とは全く関係ないシーンから持ってきました。学生時代の尺が短かったので!
そうしてジーン君とアラン君の学生時代のシーン。
ここで一つ問題があって、尺が余る!そもそものシーンが少なく短い上に、「進んで行く」に回転するタイミングを合わせたかったのでどうしても2秒余る。
ちょっと苦肉の策として、流れるフィルムを何度も繰り返して、それらの明るさや輝度を上げました。まあ、結果として光が差し込んできてフィルムを焼くようないい感じの展開にできたと思います。
Aメロ前の間奏部分
オープニングや走るシーンを使用して、物語の始まりを演出。メインのジーン君ナタリーポンポさん+アラン君にスポットを当てているけど、彼らばかり繰り返されるとくどくなってしまうので、少し爽やかなニャリウッドの風景も交えつつ。
全体的にギターに対する音合わせを意識していて、ポンポさんの登場シーンではテロップが出る度に再生速度を少し変えてあります。
タイトル出現前の早送りされた風景映像は別のシーンから持ってきたもので、位置や拡大率、移動量をタイトル画面に合わせてクロスフェード。多分、ここも尺が余ったからの策だったかな…?
『ハイウェイとばす ハイテンション 有能なナビゲーション』
ハイテンションで入ってくるポンポさん。彼女は有能なプロデューサー。今回の映画撮影では脚本家も兼任しているので、音に合わせて役職が追加されるよう構成。
『連れて行くよ 最速のスピードで』
ポンポさんの導きでジーン君はアシスタントから監督に、ナタリーさんは役者の卵から主演女優にという最速どころかワープ染みた大躍進。テンポに合わせて新しい役職が前の役職をはじき出す感じに。
驚いた時の止め絵はオープニング時の物を意識していて、配色などはそちらに合わせてます。その前のポンポさんはオリジナルの配色に。
この時現れる『Screen writer』、『Director』、『Leading Actress』はすべてテキストで入力されたものじゃないです。全部切り抜きです。
私はドケチで有料フォントを使っておらず、尚且つそもそもフォント名とかも分からず、その違いで違和感が出て来てもまずいので、オープニングで出た文字を一つ一つ切り抜いて並び替えて配置しました。めんどくさかった…(愚痴)
この手法は前作でもやりましたが、一から配置し直して、ポンポさん分も作成。大文字部分はそのままだと太すぎるので他に合わせて細くしました。
ジーン君の方に『d』があるのにわざわざ『p』をひっくり返して使ったのは、今の私にもよく分からん…
本編での驚く順番はナタリーさんからジーン君なのですが、曲の1番の主役はナタリーなのでジーン君が驚いてからナタリーさんが驚く順に。そのため、慌てふためくナタリーさんには消えてもらいました。
『そんな甘い出来レース どっか怖いのは 見失うことも多いって 知っているから』
急な大役に自分が見合ってないんじゃないかと悩むナタリー。プールを眺め、自分を見つめ直すように過去シーンへ。巻き戻しは劇中でそのような演出があったので、「なるほど、そういう使い方があるのね」と思い参考にしました。
『何度泣いたって どうやったって また ノルカソルカの旅路で』
何度もオーディションを受け、何度も落ちてしまう。そんな女優(志望)人生の中で。
『もがくことを選んでしまう ならばいっそ 笑いながら』
涙が零れそうになりながらも、この道を選んでしまう。
夢をかなえるためにここに来たんだから、泣いている暇なんてない。自分を叱咤激励するために無理やりにでも笑顔を作る。そんなナタリーにここの歌詞はドンピシャリでした。
『なぐり書いた 未来地図を 僕ら がむしゃらに汚して 進んで行く』
ここでいう『未来地図』は子供の頃に夢見ていた理想の未来や将来像。それらがグチャグチャになりながらも進んで行く。そんなナタリーのバイト風景を歌詞に合わせました。
本当の事を言うと、ウエイトレスやビルの窓ふきはニャリウッドに来る前のお金を貯める段階のバイトなので、オーディションに打ちのめされながらやっているわけではないですが、そういう事がこっちに来た後もあったんだろうなと思っていただければ。
『行き止まりも 遠まわりも 全部 足跡で描いて 変えていける』
辛かった日々も諦めず進み続けたから全部乗り越えてきた。
ナタリーがこけるシーンでリール回転を使って次のシーンへ。下から上に流れるように回転させる様にしているのは映画のフィルムが回る様を意識していて、これを使ってるところは基本的に時間経過したりが飛んでいたりするのを意識しています。過去に戻るときは逆回転を使おうかと思っていましたが、使う場面が無かった…
そして特訓シーン。演技に〇が付くシーンでは前に一瞬×が付くんですが、テンポ的に邪魔なので消えてもらいました。ぱっと見分かんないはずだ!…多分。
『さぁもう一歩 さぁもう一歩』
現在に戻って来て、ナタリーの背中を押そうとするジーン君とそれを聞いてまた前に進む決意をするナタリー。
ここもジーン君は別のシーンから引っ張って来てあって、本来の励ますシーンではジーン君が照れているので気が抜けるというか、そもそも励ましているかどうかさえ分からないと思ったので、現在の物に差し替え。
『ハイウェイとばす ハイテンション 有能なナビゲーション』
そういった経緯を経て始まる映画撮影。飛行機が横切った跡が広がって次のシーンに転換方法は劇中にもあり、こちらでも海外の撮影場所に切り替わるところで採用。
『有能なナビゲーション』は引き続きポンポさんでも良かったけど、1番と変化を持たせるためと、「そういう人たちもいるんだよ」っていう見せの為に、ポンポさんが集めた有能なスタッフ陣を配置。
まあ、すぐ後にポンポさんが出て来るっていうのもあったんでしょうけど…
『連れて行くよ 最速のスピードで』
(多少のトラブルはあったものの)とんとん拍子で撮影は終わり、ジーン監督は編集作業へ。
『そんな甘いユートピア どっか憧れる 焦る気持ちはそこから やって来るのでしょう』
最高の映画になることが約束されている。だけど、そんな最高の俳優やスタッフによる最高の素材達が逆にジーン君を苦しめていく。
『何度泣いたって どうやったって いつか オワリ(編集の締め切り)が来る旅路で』
『できるならいろんな景色が見たい そして最後に笑えたらいい』
映画の中に自分自身を見つけ、自分が良いと思えるような映画を望むジーン君。
ドーナツの中の小さな光がピカーンとなるのは映画を見つめ直す中で映画の中に入り込むイメージ。このピカーンは前作でも使用。
『なぐり書いた 未来地図を 僕ら がむしゃらに汚して 進んで行く』
ここでの『未来地図』はポンポさんの書いた脚本をイメージ。
歌詞の感じを合わせたりそのままストーリー順に追ったりするなら、ポンポさんの脚本を否定するジーン君、それを聞いて怒るポンポさんっていう構成になるんですけど、それだけだと画面映え的にイマイチというか、ぶっちゃけ地味なんですよね…会話のない会話シーンとか…
そこで汚される未来地図部分に少し焦点を当ててみました。
開かれる脚本に別の画像を差し込み右ページ左ページが交互に変化していくのは劇中でも時間経過を表現するためにあったのですが、ここでは脚本自体を表現するためにこの手法をパクっ…参考にして使用。
左ページには脚本の内容を表現するためにイメージ画像または映画のシーンを使用し、右ページには映画の外を映して、その脚本を読んだり実際に撮影をして、最高の映画になる事を確信していた自分たちを表現。
最高に上げてから落とせばそれぞれがより良く引き立ちますよね☆
そして否定する言葉をかけるジーン君とそれを聞いて眼を見開くポンポさん。
『行き止まりも 遠まわりも 全部 足跡で描いて 変えていける』
ジーン君のシーンカットに悩むシーンを入れてからの映画(のフィルム)と自分を重ねたシーンと『Air Target Myself in Movie』で苦悩を乗り越えた描写。
『「僕には映画しかありません」「だから」「どうしても」「私の」「僕の映画には一つ足りないシーンがあるんです」』
最初は『さぁもう一歩』に合わせて本編と同じようにジーン君とダルベールさん(映画の中のおじさま)が交互に切り替わるようにしていたんですが、正直2人がこちらを立ち代わり睨みつけていても「なんだこれ?」というか、これだけじゃ何を言おうとしてるか見えない感じがしたのでジーン君の台詞を追加。
ジーン君だけだと文章的におかしいかなと思って、本編同様ダルベールの「だから」追加。でもそれだけだとダルベールさんに「お前何しに来たねん」感が出てくるような気がして、「私の」だけ切り取って追加。
これでジーン君の「シーンが足りない」という我儘で追加撮影を行う必要があり、その為の資金調達も必要になったことが分かるかと。
間奏のシーン
スポンサーが映画をが下りたこと、アラン君のプレゼンで事なきを得た事、追加撮影が終了したけどジーン君が過労と棚の下敷きになって倒れたことを(多分)簡潔かつ分かり易く構成。
クラファンのグラフを映すシーンは拡大&カメラ移動で金額上昇と勢いを少し演出。
『「見たかったなぁ…君の映画」』
数少ないポンポさんの吐露。終始有能なナビゲーションだったけど、我儘なジーン君に怒っていたけど、それでもジーン君の映画が観たかった、本当に惜しそうな感じを見せる。
本編では「見たかったなぁ…」の前に「楽しみにしてたんだぞ。君の映画」というセリフが繋がっているのですが、少し強がっているというか悲愴感が足りない感じがしたので後の別のシーンから「君の映画」を挿入。
『「自分だけじゃない。皆の人生やお金も犠牲にしてここにいるんだ。そう思うと、諦める訳にはいかない」』
ここではジーン君の決意を口にする台詞を使用。それに合わせて追加撮影決定から頑張った面々を中心に構成して合わせる。
後で「ここで取り上げられたら、僕の映画ではなくなってしまう」の台詞も入れたくなったんですけど、尺や構成の都合上そのままに。まあ、本編序盤で「スタッフの生活とかどうでもいい。超楽しい!」と口にしてたジーン君がこの台詞を言うのが劇場版の最大の特色だと思っているので、今はこれで良かったのかなと。
前を向く感じを出したかったのでナタリーとジーン君は逆再生で顔を上げるように。
そして締め切り前日のカレンダーを映して、クライマックス感を出しながらラスサビへ突入へ
『なぐり書いた 未来地図を』
最後の『未来地図』は良いものになると信じて演者やスタッフが意見を出し合って撮影したアドリブシーン。
悩むジーン君にポンポさんを重ねたのは、多分ジーン君が映画を作る大きな理由の一つに彼女の笑顔を見たかったからというものがあっただろうから。
MADでは使わなかったですが、本編では消す決意をするジーン君の前にペーターゼンさん(ポンポさんのおじいさん)とポンポさんのカットが一瞬入ってくるんですよ。
そのペーターゼンさんが劇中言ってたのは「誰にどんな感情を伝えたいかね?」というものでした。そのペーターゼンさんの後にポンポさんのカットが入ってくるもんですから、「ああ…ジーン君はやっぱり自分へもそうだけど、ポンポさんにも見せたかったんだな…」と。
これもMADではカットしたんですが、また別の場面でコルベット監督が「誰かひとり、その映画を一番見てもらいたい誰かのために作ればいいんだ」という時にポンポさんにピントが合うシーンがあったので「あ、これは完全にジーン君からポンポさんに愛の矢印が向かってるな」と思いました。それが恋かどうかとかは置いといて。
『僕ら がむしゃらに汚して 進んで行く』
それらスタッフや俳優陣の努力の結晶をがむしゃらに消しながら映画を完成させていく。
『真っ黒な その地図は』
さんざん回り道して見つけた『誰に向けた映画か』という答え。
なんの変哲もないゴシック体ですのでテキストの見栄えは...ぶっちゃけて言えばダサいです。
ですがこれはジーン君の創る映画で、彼が導き出した答えです。彼には自分をよく見せる為に着飾る必要もそんな気も無いんですから。これでいいんです!
『真っ黒な地図』はジーン君の旅路とその映画フィルムをイメージして当てていて、その想いを乗せた映画がいずれ観客の元に届く。
あ、ここの切り替わり部分のフィルムも切り抜きです。
『いつか誰かの勇気になる』
アラン君が客席に座り、観客が現れるシーンがありますが、ここは別のシーン同士をクロスフェードで重ねた物で、その上に動くクリッピングしたアラン君の頭をコマごとに合わせて乗せた形になっています。
この手法は前作でもそのままやったもので、このシーンが前述したこのMADを作る上で最初に浮かんだシーンでした。前作でやったからこそ、浮かんできたのかな?
劇中でのジーン君の台詞、「僕が映画に救われたように、僕の映画を観て誰かが救われるように」にも凄く合っています。(自画自賛)
そして上下の黒帯が無くなり、観客と作り手、映画の向こう側とこちら側の境界が無くなり一つに繋がる!……..っていうのは後付けでこれも最初に一緒に浮かんだ景色でした。
『行き止まりも 遠まわりも 全部 足跡で描いて 越えていこう』
観客も作り手も誰にも辛い過去がある。名もなき観客たちの悲しいシーンに映画のメインであるアラン君、ポンポさん、ジーン君を混ぜ込む。そしてバックの「ダンッ、ダンッ、ダンッ」に合わせて切り替え。ここの音ハメ好き。
ついでに機を狙って劇中曲のCIELさんの『窓を開けて』MVからも入れようかと考えていたんですけど、入り込む隙がなかったというか入れる必要がそこまで無かったので、没。
それらを全部引きずって、踏み越えて、畳みかけるように進んで行く。
『さぁもう一歩 さぁもう一歩』
最後はポンポさんとジーン君がそれぞれ見たかった景色に手を伸ばし歌は終わる。
アウトロでは二人が互いに救われたような顔をし、『行き止まり』にいたアラン君は走り出し、ポンポさんが未来を見るような光景、それからタイトルと「ペーターゼンフィルム」が表示されこのMADは幕を閉じる。
AniPAFEで付けたテーマは「夢と意地」でした。
夢を追うナタリーとジーン君、それを叶えるためにたどり着くために藻掻き続ける意地がこのMADの主軸になっています。
本当の事を言うと「夢と意地」は私自身にも少し重ねたテーマでした。少し気持ち悪いですかね?
いままで結果を残せなかったAniPAFEという大舞台で追い求めた成績とそれを勝ち取ってきた人たちへの憧れ、ぶっ潰してやりてぇ相手に向けた恨み、伸びない動画のリベンジとこれまで私の動画たちより上を行ってきた人様のMADたちへの(勝手な)妬み嫉み、作品での感動、今までの感情や技術と経験をかなり積み込んだと思います。
過程がなんであれ、これが私の足跡であり全てのつもりです。(AniPAFE参加作はもう一つありますけどそれはひとまず置いといて…)
おかげでMCL15位、AniPAFEテーマ賞4位、構成賞17位、総合賞13位を手にすることができました。
まあ、「MCLとか構成賞もっと上行けたんじゃね?」とか「選曲賞だめぇ?」と思う欲深い部分が無いことはないですが、これ以上のものは後にも先にもない成績だと思います。それでもまた狙いたいですが…
歌にあった「いつか誰かの勇気になる」…
私は誰かの勇気になれたでしょうか?正直わかんねーですが、この成績なのでそれに近しい何かにはなれたかなと…
今までの起きた事は無かったことにはできませんが、そう思うと少し報われた気がします。
これにて『ポンポさん』編の編集後記を終わりにしたいと思います。
皆さま、動画のご視聴、投票、ここまでの閲覧ありがとうございました!